シカゴ NRA SHOW 2014 レポート No.2

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シカゴのNRA SHOW 2014 に JAPAN Pavilion Umami を出展

JROはNROショーを重視、会員企業などにも積極参加を呼びかけ

同時に、米国のレストランなど食品関係企業だけでなく、欧州や新興アジアなど世界各国から関係企業が集まるので、情報交換、人的交流などの面でのチャンスでもあり、参加すること自体に十分意味のある食の見本市だ。

このため、JROは過去、会員企業に対しては、米国だけでなく世界中の国々の食のトレンドを現場でしっかりと見て、学び取ると同時に人的交流、情報交換することも重要と考え、今回も会員企業に対して積極的に参加を呼びかけている。

今回のNRAショーにはJRO会員の生産者団体、食品メーカー、外食企業など16社が参加して出展・出店したが、過去の参加企業も含めると、かなりの参加企業数にのぼる。いずれの企業も、このNRAショーで得た世界の食の世界の新潮流などをもとに、日本国内のみならず海外展開する際の戦略展開の材料にしている。

参加企業は「UMAMI」パビリオンで日本食材・食品の魅力をアピール


今回のNRAショーに参加した16社は「UMAMI(うまみ)」日本パビリオンで、米国や世界各国の外食チェーン企業などに対して、日本食材・食品の魅力、品質の高さをアピールするため、さまざまなメニュー提案を行った。

また、日本の厨房機器メーカーも参加し、米国のフードサービスチェーン企業などを対象に、日本食文化の中軸の寿司づくりの関連で寿司ロボット、回転寿司レーン、寿司ネタ冷蔵ケースなどのプレゼンテーションも行った。

参加企業16社は、現地参加の米国法人を含めて、あいうえお順で、次のとおり。かっこ内は「うまみ」パビリオンで取り組んだ分野。


1.アイカム(株) (回転寿司レーン)

2.AJINOMOTO NORTH AMERICA INC.(うまみ調味料)

3.ITO EN(NORTH AMERICA)INC.(抹茶)

4.OTAFUKU FOODS INC. (ソース類)

5.KIKKOMAN SALES USA INC.(本つゆ、ラーメンスープ)

6.SUZUMO INTERNATIONAL CORPORATION (寿司ロボット)

7.TAKAOKA USA INC. (海苔製品、大豆シート、ふりかけ)

8.CHOYA UMESHU USA INC. (梅酒)

9.(有)小田畜産 (和牛、鹿児島県) 以下3社は日本農業法人協会関連

10.(株)たから (黒にんにく 青森県)

11.農事組合法人 水鳥 (乾燥シイタケ、シイタケ加工品 宮城県)

12.(株)人形町今半 (和牛、すきやき&ステーキ)

13.花の舞酒造(株) (日本酒)

14.米国西本貿易(株) (ラーメン関連商品)

15.ホシザキ電機(株) (業務用大型冷蔵庫、寿司ネタ冷蔵ケース)

16.UNITED FOODS INTERNATIONAL(USA) INC.(とんかつ関連商品)

日本の「うまみ」は7年前のNRAショー参加当初に比べ米国で定着


ここで、日本パビリオンで存在感を見せたいくつかの事例をトピックふうに取り上げてみよう。

その前に、パビリオンのネーミングである「UMAMI(うまみ)」のことを申し上げておこう。JROは初回の参加以来、日本食の基本が「うまみ」にあることをアピールするため、一貫してこのネーミングを続けてきている。

具体的には、JROがNRAなどでアピールしたのは、「うまみ」は甘味、酸味、塩味、苦味と並ぶ基本味の1つで、日本では「うま味」と呼ばれていること、みそ、しょうゆ、酢、みりん、お酒などさまざまなうまみ調味料を巧みに活かした出汁(だし)によって日本食は独特の風味、フレーバーを出していること、この「うま味」が日本食の基本で、世界中のどこの料理にもない特性を持っていることなどだ。

7年前の参加当初に比べると、日本食文化が大きな広がりを見せていることもあって、「うまみ」のキーワードがかなり浸透している。

日本パビリオンには大会4日間で1万人が来訪し、日本食メニューを堪能


今回のNRAショーのメイン会場の約230平方㍍の部分に「UMAMI(うまみ)パビリオン」というネーミングの日本ブースを出した。参加した16社は、 それぞれの企業コーナーで調味料や「だし汁」などのうまみの紹介をする同時に、和牛を使った調理実演、さらに米国人などに関心のある回転すしのターンテーブルなどの紹介など盛りだくさんのプロジェクトを展開した。

また、ショーの期間中、日本パビリオンでは「KITCHEN DEMO STAGE」という形でシェフ・スペッシャルと銘打って、次の4氏による料理デモンストレーションが行われ、大盛況だった。

1.FRED SABO氏 EXECUTIVE CHIEF THE METROPOLITAN MUSEUM OF ART

2.KRISTINE SUBIDO氏 OWNER CHEF PECKING ORDER

3.CARLOS DALISAY氏 EXECUTIVE CHIEF ART OF UMAMI

4.沼田信義氏 株式会社人形町今半 新宿高島屋店調理長

フレッド・サボ(Fred Sabo)氏
メトロポリタン美術館会員制レストランの総料理長

クリスティン・スピド(Kristine Subido)氏
レストランPecking Orderのオーナーシェフ

カルロス・ダリゼー(Carlos Dalisay)氏
ケータリング事業Art of Umamiのオーナーシェフ

沼田 信義 氏
株式会社 人形町今半 新宿高島屋店 調理長

JRO関係者がはじき出したところ、4日間の大会期間中、日本の「UMAMIパビリオン」には約1万人の人たちが来て、日本食のメニューを味わい堪能した。1日平均にすると、2500人の人たちだったので、大盛況だったことは間違いない。

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NRA SHOW 2014 JAPAN Pavilion Umami

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寄稿者:牧野 義司 氏(経済ジャーナリスト、メディアオフィス「時代刺激人」代表)