2015年 全米レストラン協会(NRA)ショー

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恒例の2015年全米レストラン協会(NRA)ショーに出展

「UMAMI(うまみ)」パビリオンで日本食文化をアピール


毎年恒例の全米レストラン協会(NRA)主催のNRAショーが2015年5月16~19日までの4日間、シカゴのマコーミック・プレースで開催された。日本からはNPO法人日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)関係企業2社が参加し、「UMAMI(うまみ)」パビリオンでメニュー提案を行い、日本食文化をアピールした。

NRAショーは、1919年のNRA設立以来、開催している全米最大かつ伝統ある食関連見本市として有名。主催者側によると、今回、世界中から約2000社が出展し、それぞれの展示ブースで各社の得意分野に関する企業やその関係者も参加、さまざまの趣向をこらして存在感を強調した。会場となったシカゴのマコーミック・プレースの約5万6900平方㍍の広大なスペースで、米国のレストラン企業はじめ、シェフ、食材のバイヤー、食品流通などの食品関連企業、関係者だけでなく、日本を含めた世界中の食に関する企業などが最新の食メニュー、商品、調理技術などをアピールした。

毎年のNRAショーではさまざまな食材の特質を巧みに活かしたメニュー提案が行われる。世界の食のトレンドを探るには絶好のチャンスとなるため、各国の外食レストラン関係者にとっては、欠かせないショーとなっている。
しかも、米国のレストランなど食品関係企業だけでなく、欧州や新興アジアなど世界各国から関係企業が集まるので、情報交換、人的交流などの面でのチャンスが多い。このため、会期中の4日間は、さまざまな企業関係者が名刺交換を通じて知り合うと、至る所で小会合の輪が出来るほどの盛況ぶりだ。

8年連続でJROは参加、米国の食のトレンド探りや情報交換にチャンス


JROは今回を含めて、このNRAショーには、8年連続で出展・出店参加している。
これまでJROは、会員企業に対しては、米国だけでなく世界中の国々の食のトレンドを現場でしっかりと見て、学び取ると同時に人的交流、情報交換することも重要と考え、今回も会員企業に対して積極的に参加を呼びかけている。

今回のNRAショーにはJRO会員の食品メーカーでお酢のミツカン・アメリカ(MIZKAN AMERICA)、スシ・ロボット・メーカーの鈴茂インターナショナル(SUZUMO INTERNATIONAL CORPORATION)の2社が参加して出展した。

ミツカンなどは日本食だけでなく米国で人気のエスニック料理もアピール


今回のNRAショーでは 米国や世界各国の外食チェーン企業などに対して、日本食材・食品の魅力、品質の高さをアピールするため、さまざまなメニュー提案を行った。
とくにミツカン・アメリカは、お酢を使ったさまざまな日本食のメニュー提案を行った。同時に、今年は、米国内でエスニック料理が人気トレンドになっているため、日本のお酢の調味料を使ったさまざまなタイプのエスニック料理を披露した。

また、日本の厨房機器メーカーの鈴茂インターナショナルは米国のフードサービスチェーン企業などを対象に、米国で同じく人気が定着している寿司に関して、にぎり寿司を実演披露して観客に味わってもらうサービスを行い、好評を博した。ただ、鈴茂インターナショナルの最大のアピールは、米国内の寿司レストランやチェーン展開している寿司レストラン向けに寿司ロボット、回転寿司レーンなどのプレゼンテーションを行うことにあり、レストラン関係者の関心を呼んでいた。

JROは「日本食文化の基本はうまみ」とアピール、認知度も高まる


日本パビリオンでは、JROは例年、日本パビリオンのネーミングともなっている「UMAMI(うまみ)」を普及宣伝するため、かなり積極的にアピールしている。
具体的には、JROが毎年、NRAでアピールするのは、「うまみ」が甘味、酸味、塩味、苦味と並ぶ基本味の1つで、日本では「うま味」と呼ばれていること、みそ、しょうゆ、酢、みりん、お酒などさまざまなうまみ調味料を巧みに活かした出汁(だし)によって日本食は独特の風味、フレーバーを出していること、この「うま味」が日本食の基本で、世界中のどこの料理にもない特性を持っていることなどだ。
日本パビリオン前では、「うまみ」に関する配布資料もかなり準備し、関係者に配った。
8年前の参加当初に比べると、日本食文化が大きな広がりを見せていることもあって、「うまみ」のキーワードがかなり浸透し、認知度も上がっている。

寄稿者:牧野 義司 氏(経済ジャーナリスト、メディアオフィス「時代刺激人」代表)