みそ汁は味噌にダシ汁を合わせて、豆腐やわかめなどの具材をいれた汁物です。日本において食事を構成する重要な要素として「一汁一菜(主食を除くおかず1品と汁物1杯」の考えがあり、みそ汁は一回の食事を形成するひとつのスープであるという点においてご飯と同様に欠かせないものです。
みそ汁に使われる味噌は大豆等の穀物から麹菌を用い発酵させて作られた日本の発酵調味料です。麹の種類や発酵工程の時間を変えることにより、赤や白といった色味の違う味噌を生みそれが味の違いにつながっています。味噌は全国各地で作られており、味噌の風味・色は各地方でそれぞれの特徴をもった地方色の強い食材でもあります。
日本では昔から「医者いらず」と呼ばれていた味噌は、主原料である大豆が良質のたんぱく質や、様々な栄養素を豊富に含んでおり、コレステロールの抑制、老化予防、ガンの予防、胃潰瘍予防、整腸作用、消化促進等の効能があります。味噌はそのままでも食べることができ、みそ汁だけでなく、漬物、焼き物等にも用いられ、日本料理を特徴つける代表的調味料でもあります。最近はフランス料理などでは味噌は調味料のひとつとして注目されてきています。
もうひとつ、みそ汁を作る際に欠かせない「ダシ汁」は、スープベールの一つで、いわゆる西洋料理のフォンやブイヨンにあたります。日本料理では主にコンブ・鰹節などを煮出して作るほか、干し椎茸などの乾物を水に浸して徐々に成分を抽出します。だしの美味しさの元となる「うま味」は基本の5味覚(甘・酸・苦・鹹・うま味)の1つであり、それ自体アミノ酸や核酸を豊富に含み、栄養上の価値も高いです。
今日では短時間でダシ汁を取る為に様々な種類の製品が登場しました。固形、液体、顆粒状のダシの素や、ダシ汁パック等は単に便利なものとして使われています。
みそ汁は日本の代表的テイストである味噌の味とダシ汁の味が重ねられた、日本食の象徴ともいえる味わいを持ったスープです。味噌の多様性に加え、みそ汁に入れる具材もさまざまな具材がマッチするので、そのバリエーションは無数です。各家庭にはその家独自のみそ汁があり、「おふくろの味」といえば「みそ汁」を挙げる人も多いほど日本人の郷愁を誘う料理であり、日本人にとってのソウルフードとも言えます。